同じくらいの月齢の赤ちゃんがハイハイを始めると、「うちの子はまだしないけれど、大丈夫なのかな」と気になることがあります。
ずりばいをしないままお座りしていたり、ハイハイより先につかまり立ちを始めたりすると、発達の順番を飛ばしてしまったように感じるかもしれません。
けれど、赤ちゃんの発達は、すべての子が同じ動きを同じ順番で経験するわけではありません。
大切なのは、ハイハイを「した・しない」だけを見るのではなく、その子が今どのように身体を使いながら成長しているのかを見ることです。
赤ちゃんがハイハイしないのは大丈夫?
ハイハイをしないという一つのことだけで、赤ちゃんの発達全体を判断することはできません。
赤ちゃんの運動発達には個人差があり、四つ這いのハイハイを経験する子もいれば、ほとんどしないまま、つかまり立ちや歩行へ進んでいく子もいます。
世界保健機関(WHO)が乳幼児の運動発達を調べた研究でも、四つ這いを示さなかった子が確認されています。
「ハイハイをしない=発達に問題がある」と単純に結びつけるのではなく、ほかの動きや発達も含めて見ていくことが大切です。
赤ちゃんの発達はみんな同じ順番ではありません
寝返り、お座り、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、そして歩行。
こう並べると、赤ちゃんは一つずつ順番に進んでいくように見えます。
実際には、それぞれの動きが現れる時期には幅があり、進み方も一人ひとり違います。
厚生労働省の乳幼児身体発育調査では、「はいはい」は10~11か月未満までに9割以上の赤ちゃんで確認されています。ただし、これは「11か月までにハイハイをしなければならない」という期限を示すものではありません。
発達を見るための目安はありますが、それをすべての赤ちゃんが同じ順番、同じ時期に通過するわけではありません。
赤ちゃんの成長を考える時には、月齢だけでなく、それまでどのように身体を使ってきたのかにも目を向けてみます。
ハイハイをしないまま、つかまり立ちや歩行へ進むこともあります
「ハイハイをしないのに、つかまり立ちを始めた」
「ずりばいもしないまま、立とうとしている」
そんな様子を見ると、ハイハイを飛ばしてしまってよいのか心配になるかもしれません。
四つ這いをほとんど経験せず、お腹を床につけて進んだり、座った姿勢のまま移動したりしながら、そのまま立つ動きへ進む赤ちゃんもいます。
赤ちゃんの移動=必ず四つ這いのハイハイとは限らないのです。
そのため、ハイハイを飛ばしたということだけから、将来の発達や身体の問題を決めつけることはできません。
「ハイハイをしたか」だけでなく、身体の使い方を見る
では、ハイハイをしない赤ちゃんを見る時、何を見ればよいのでしょうか。
「ハイハイをしたか?」だけでなく、「この子はいま、どのように身体を使っているのだろう?」と見てみます。
今はどのような方法で移動しているのか。
座っている時にはどのように身体を支えているのか。
左右の手足をどのように使っているのか。
自分から立とうとする動きが現れているのか。
その子が実際に見せている身体の使い方を見ていきます。
赤ちゃんの身体は、寝返り、座る、移動する、立つといった経験を重ねながら変化していきます。
一つの動作だけではなく、こうした身体の使い方を重ねて見ることで、その子が今どのような発達の途中にいるのかを捉えていきます。
気になる時は、一つの動作だけで判断しない
一方で、ハイハイ以外の発達にも気になる様子がある時は、その子の発達全体を確認することが大切です。
たとえば、身体の片側ばかりを使う、片側を引きずるように移動する、足に体重をかけようとしない、座る・立つなどほかの運動発達も気になる、あるいは、それまでできていたことができなくなった、といった場合です。
このような時は、乳幼児健診や小児科などで相談し、その子の発達全体を確認してもらうことができます。
月齢表と比べて「ハイハイが遅い」と考えるだけではなく、その子の今までの成長と、現在の身体の使い方を一緒に見ることが大切です。
赤ちゃんの身体を、成長の途中として見る
赤ちゃんの身体は、完成した身体を小さくしたものではありません。
毎日の中で新しい動きを経験し、環境に適応しながら、身体の使い方そのものが変化していきます。
misakiでは、向き癖、寝る向き、抱っこされた時の身体の使い方など、一つの現象だけを取り出して見るのではなく、成長・発達の途中にある赤ちゃんの身体全体を見ることを大切にしています。
ハイハイをするかどうかも、その中の一つです。
「できる・できない」だけで判断するのではなく、その子が今どのように身体を使い、どのような発達の途中にいるのか。
赤ちゃんの成長・発達と身体については、こちらで詳しく紹介しています。