メジャーとマイナー

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頭蓋骨から仙骨まで、頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個の椎骨が連結し、その間から末梢神経が出ています。これら全体、すなわち「フルスパイン」を調整対象とするのがメリックシステムです。そこに複数のターゲットとなり得る部位が存在します。

B.J.パーマーは、「メジャーと成りえる原因と、マイナーと成りえる原因があるのではないか」という研究を進め、一つのサブラクセイションと、複数の代償作用によるミスアライメント。メジャーとマイナー論を1918年に発表します。

メジャーとは、全体の調和をもたらし得る部位であり、それは生命体にとって最も重要な部位で、先天的知能との関わり合いがいちばん深い椎骨のサブラクセイションをいいます。メジャーとなるサブラクセイションは、訴える症状や病名にかかわらず、人体を構成するすべての細胞、組織、器官へのメンタル・インパルスの伝達を妨害し、全身の機能に影響を及ほすものであり、これはすべての不調和の原因となりえます。ゆえにメジャーのアジャストメントは、全身の機能の回復へと向かわせることにつながります。

メジャーに対してマイナーとは、唯一(メジャー)のサブラクセイションの代償作用として、二次的に変位を起こしているミスアライメント(マイナー)のことです。部分的な症状や病気との関連性(メリックシステム)はあっても、「根本原因」とはなりません。マイナーの部位は、メジャーのサブラクセイションによって受ける脊柱への構造上、機能上の損傷、器官の機能低下から守るために取られる保護手段であり、この部位は、メジャーのサブラクセイションが取り除かれると共に、イネイトインテリジェンス(内在する叡智)により本来の機能に調整されていくのです。

参考資料:
『臨床カイロプラクティック 哲学・科学・芸術』塩川満章D.C.(1999)
『上部頚椎カイロプラクティック 哲学・科学・芸術』賀来史同(1990)

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