唯一の目的、サブラクセイション
カイロプラクティックにおいて、Dis-ease(身体が「容易でない」状態)を引き起こす根本原因は、サブラクセイションと呼ばれています。
あまり聞きなれないこの言葉ですが、日本語訳が適切でないため、そのままカタカナで表記されています。
Dis-ease(ディス・イーズ)と同様に、カイロプラクティックの専門用語として理解される必要があります。
残念ながら現代社会では、アメリカを含めて本来のカイロプラクティックのアイデンティティが弱まっているのが現状です。
日本国内では「整体」「整骨院」「手技療法」などと混同され、カイロプラクティックの名のもとに多様な療法が行われています。
本来、カイロプラクティックは肩こり・腰痛の対処法ではありません。
創始者D.D.パーマーは、病気(Disease)を治すためにカイロプラクティックを始め、
その息子であるB.J.パーマーは「なぜ病気が治るのか?」をリサーチクリニックで科学的に検証しました。
その結果、Dis-ease状態が身体の不調を引き起こし、その原因こそがサブラクセイションであるという理論にたどり着いたのです。
B.J.パーマーは「メジャーとマイナー論」を提唱し、背骨の中でたった1つだけサブラクセイションが起こるとしました。
このサブラクセイションは、体操や休息といった自己ケアでは解消されず、検査をすれば常に再現されるという特徴を持ちます。
さらにH.I.O.(Hole In One)学説では、上部頸椎(アトラス・アクシス)のみがサブラクセイションを起こす場所であるとされました。
この部位は脊柱で唯一椎間板が存在しない構造であり、
B.J.パーマーは「3方向にズレるサブラクセイションは上部頸椎にしか起こり得ない」と断言しています。
カイロプラクティック本来の目的は、この唯一のサブラクセイションを特定し、調整(アジャストメント)することにあります。
それによって、内在する叡智=生命力が正しく発揮され、本来の健康を取り戻すプロセスが始まります。