B.J.パーマーは、H.I.O.(ホール・イン・ワン)学説において「サブラクセイションは上部頸椎部でのみ起こる」とし、それ以外の部位には手を加えないと説いています。
症状や訴えに基づく主観的判断を排除し、グラフリーディングやレントゲンなど客観的データに基づいてサブラクセイションの有無とアジャストメントの必要性を判断します。
この学説の核心は、神経系の干渉を取り除くことで自己治癒力(イネイト・インテリジェンス)が正しく働く環境を整え、本来の健康を取り戻すという「カイロプラクティック哲学」そのものです。
B.J.パーマーは、以前、森久保繁太郎などカイロプラクターを訴訟から守るため、弁護士トムモリスと一緒に、次のような説明で無罪を勝ち取りました。
- 「カイロプラクティックは、医業、オステオパシーとは異なる。私たちは疾患を治療するのではない。患者の病気の原因を取り除くのである」
- 「カイロプラクターは、サブラクセイションを探し、それを矯正するのである」
- 「サブラクセイションは生気生命力(イネイト・インテリジェンス)を阻害し疾患の原因となる」
- 「カイロプラクティックのアジャストメントは、生命力の阻害因子を取り除く」
この哲学を貫き、H.I.O.学説を発表し、臨床で実証していったB.J.パーマー。彼の信念が、現在の上部頸椎カイロプラクティックの基礎を築いたのです。
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