姿勢は、あなたを表している

人間は二足歩行という、重力に逆らった姿勢で生活しています。体重の約8%、およそ5kgとも言われる重い頭部を、私たちは日常の中で前後左右に動かしながら、2本の足でバランスを保って立っています。

こうした重力との絶え間ないやり取りの中で、骨格や背骨の構造は長い進化の過程を経て、今の私たちの体にデザインされています。

例えば物を持ち上げる、歩く、座るなどの動作は、すべて体の軸を重力に対してバランスさせることで成立しています。この「当たり前の動き」を日々無意識のうちに繰り返してきた結果、あなたの今の姿勢が形づくられました。

Occupational Scoliosis

この世界にまったく同じ人が存在しないのと同じように、まったく同じ姿勢も存在しません。

たしかに、両親から受け継いだDNAの影響で体格や骨格のデザインは似る傾向があります。しかし、私たちは生まれた瞬間から重力の影響を受けながら、日々の外的ストレス(姿勢、動き、ケガ、環境)に適応し、姿勢も日々少しずつ変化していくのです。

「悪い姿勢」と一言で言っても、単にそれを矯正すればいいわけではありません。その姿勢は、あなた自身の体が長い時間をかけて「今の自分にとって最もバランスが取れる形」として適応してきた結果なのです。

だからこそ、身体にとって本当に必要なことは、無理な形に矯正することではなく、「内側の力=イネイトインテリジェンス」がしっかり働く状態を整えることなのです。

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干渉がなくなれば姿勢変化が現れる

11歳の女の子。小学生高学年になると、安定して静止姿勢を保つことができるようになりますので、姿勢写真の撮影も可能になります。今回は親御さんの同席のもと、初回のスパインチェック時に姿勢写真を撮影させていただきました。

その場でご自身の姿勢を目にした親御さんは、彼女が表現していた姿勢の状態に驚かれていました。

11歳女の子初回姿勢写真Pre/Post

11歳女の子 調整前

11歳女の子 調整後

上の写真は初回来店時の姿勢レポートで、アジャストメント前後の比較写真です。この変化の程度をもとに、今後の来店ペースを予測する参考にしています。

そして下の写真は、1ヶ月後に来店された際にお渡ししている「調整前の比較写真」で、初回の調整前の姿勢と、今回来店時(2回目)の調整前の姿勢の比較です。

11歳女の子1ヶ月後姿勢写真Pre/Pre

11歳女の子 1ヶ月後調整前

当店では、初回のアジャストメントを「リスタートの日」と位置づけ、その日を境にどのような姿勢表現の変化が見られるかを記録しています。

彼女はこの1ヶ月間を、サブラクセイションフリーな状態で過ごすことができたことで、内在する叡智=イネイトインテリジェンスが本来持っている姿勢制御力を発揮し、自然な変化をもたらしました。

このように、無理な矯正ではなく、身体が自ら整っていく過程を見守り、必要に応じて最小限のアジャストメントを行うことが、ストレートカイロプラクティックの基本的な考え方です。

彼女には今後、半年ごとのスパインチェックをおすすめしています。

※ 本ケーススタディは、過去の記録をもとにご紹介しています。

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骨盤矯正をしなくても変えられる

8歳男の子EX-IN 半年後

8歳男の子EX-IN 半年後2

こちらは、8歳の男の子のスパインチェックから半年後の写真です。

前回、たった1回のアジャストメントを行って以降、今回が初めての再チェックでしたが、ご覧の通り、姿勢の安定が保たれており、親御さんもその持続に驚き、喜ばれていました。

若干の足長差は見られるものの、両膝および爪先の向きは揃っており、骨盤を含む体幹全体のアライメントは中立を維持しようとしている様子がうかがえます。

8歳という成長期真っただ中の子どもにとって、環境への適応力が高い状態の骨格バランスは、日常生活はもちろん、運動・学習・集中力といったパフォーマンス全体に大きな影響を及ぼします。

ストレートカイロプラクティックの目的である「サブラクセイションフリーな状態」の維持は、複数の矯正ではなく、「最小限のアジャストメント」によって可能であることを、このケースは示しています。

骨盤がねじれているからといって骨盤そのものを直接矯正しても、根本的な原因が残っていれば、結果は一時的なものにとどまります。

身体の表現にはすべて意味があり、どんな歪みもその人にとって必要な適応反応であると私たちは考えています。答えは外側にはなく、ご本人の中に備わっている「内なる叡智」が導き出すものです。

カイロプラクティックケアは、何かを“治す”ためのものではなく、ご自身の持つ生命力を最大限に発揮させるためのアプローチです。その結果として、姿勢や痛み、身体の問題が自然と解決へと向かうことを目指します。

考え方や感じ方には個人差がありますが、このようなポジティブな変化を通じて、少しでも「希望」を感じていただければ幸いです。

※ 本ケーススタディは、過去の記録をもとにご紹介しています。

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子供に多い骨盤の歪み– 8歳男の子のケース

8歳男の子EX-IN pre1


調整前の写真

8歳男の子EX-IN pre2


調整前の写真

来店されるお子さんに多いのが、前回ご紹介したような「足の向きが違う」というタイプの歪みの表現です。

ご本人に痛みなどの自覚症状があるケースは少なく、多くの場合、親御さんが歩き方や姿勢の違和感を感じて、紹介や検索を通じて当オフィスを知っていただき、スパインチェック(サブラクセイションの有無を確認する検査)に来られます。

以下の写真は、別の方の骨盤を正面から見たイメージですが、決められた位置に立ったにもかかわらず、骨盤が右に回旋しており、左右の寛骨の幅が違って写っています。今回の8歳の男の子も、同様の状態が予想されました。

4歳10ヶ月 EX-IN

レントゲンや写真を見て「骨盤矯正しないと大変!」と不安に思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

こうした歪みは、本人の身体がバランスをとるために必要としている状態です。無理に整える必要はなく、サブラクセイションの干渉を取り除くだけで自然と身体は正しいバランスを再表現し始めます。

この8歳の男の子にも、上部頚椎にサブラクセイションが見つかりましたのでアジャストメントを行いました。

下の写真は、上記の調整前写真からわずか2分後に撮影されたものです。

8歳男の子EX-IN post1


調整直後の写真

8歳男の子EX-IN post2


調整後の写真

カラダは自ら整う力を持っています。サブラクセイションという干渉を取り除くことで、自然に元のバランスに戻ろうとする姿がここには表れています。

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骨盤がゆがむ理由が解消されれば…

骨盤EX-IN12歳post

人のカラダは常にその瞬間ごとに最も適切な生命活動を行い、健康を維持しようとしています。

しかし、多くの方が何らかの不調を感じているのは、その生命活動の働きが十分に発揮されず、最良の状態(Ease)ではなくなっている=Dis-easeな状態になっているからだと、ストレートカイロプラクティックでは考えています。

この干渉(サブラクセイション)を取り除くだけで、体の表現は大きく変化します。

調整前の姿勢写真を撮影してからわずか5分後、サブラクセイションを正した結果がこちらです。

オスグット12歳男の子 調整直後

調整直後の姿勢写真

オスグット12歳男の子EX-IN骨盤

姿勢だけでなく、骨盤や股関節の位置まで明確に変化が見られました。

本来の生命力が十分に働きだすと、身体は自ら最適な状態へと表現を変えていきます。これが、ストレートカイロプラクティックの考える「健康の回復」なのです。

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骨盤の歪みは膝の向きにも影響する

骨盤EX-IN12歳

両膝の痛みで「オスグッド」と診断され、仰向けに寝ると足の向きがいつも右を向いてしまうという12歳の男の子が来院されました。

フラットなベッドで仰向けに寝てもらうと、両方のつま先が右を向いており、膝も同じく右向きでした。

オスグット12歳男の子 調整前

調整前の姿勢写真

当オフィスでは、姿勢撮影時に足をできるだけ平行に整えて撮影しています。

調整前の姿勢写真では、上半身が左にねじれており、体の軸全体が左側へ流れているのが確認できました。

このようなバランスのまま歩行すれば、つま先の向きと上半身のねじれによって膝に大きなストレスがかかることが、ご理解いただけるかと思います。

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骨盤の変位方向

背骨の解剖図

背骨を支える骨盤は、左右1対の寛骨、仙骨、尾骨で構成されています。

上半身のゆがみを逃がすために、寛骨は相反して変位しバランスを取っています。前回の「足を組んでゆがみを逃がすテスト」と同じく、上になった足側の寛骨は後方に変位し、股関節が上前方に移動します。よく「片方の足が短い」と言われるのは、この状態です。

上のイラストのように、すべての骨格が中立な位置であれば、足の左右差もなく、構造的な問題も起こりにくくなります。しかし、実際に“ゆがみのない人”にはほとんど出会いません。

ゆがみは体の左右差として現れます。顔のパーツ(目・頬・口など)は鏡で確認でき、写真を見ると顔の傾き、肩の高さの違い、猫背などもゆがみの一種です。

ぜひ、ご自身の体のゆがみをあらためて観察してみてください。

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骨盤は歪みを逃がすサスペンション

骨盤が歪むのには理由があります

骨盤の歪みは、無意識のうちに上半身の歪みを調整しようとする身体の働きによって生じることがあります。その仕組みを簡単なテストで確認してみましょう。

まず、椅子に座り、足をまっすぐ正して骨盤を中立な状態に整えます。その状態で両腕を前に伸ばし、内側へねじってみます。
すると、上半身に歪みがある場合、左右のねじれ方に差が生じます。下の写真では、右腕のねじれが浅いことがわかります。

骨盤中立右手が回らない

次に、右足を上にして足を組んでみます。

右足を上に組むと揃う

すると、左右の腕のねじれ方が揃いました。これは、骨盤にあえて歪みを作ることで、上半身の歪みを逃がし、全体のバランスが取れた状態になったことを意味しています。

では、左足を上にして足を組んでみるとどうなるでしょうか?

左足を上に組むと歪みが出る

再び右腕のねじれが浅くなり、バランスが崩れた状態に戻ってしまいました。

この簡単なテストからわかるように、彼女の身体は、右足を上に組むことで上半身の歪みをうまく逃がせる構造になっていたのです。

骨盤の歪みは、単なる「悪い姿勢」の結果ではなく、身体全体でバランスを取ろうとする仕組みの一部とも言えるのです。

続きます。

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骨盤は建物の基礎!?

前回のレントゲン写真から、右側の大腿骨頭(股関節)が地面の水平基準線より5mm下がっていることがわかりました。そこで、5mm厚の板を右足に入れて水平を試してみました。

インソールで補正を入れた姿勢

その結果、傾いていた骨盤が水平になり、垂直軸が頭の中心に整いました。しかし、私の骨盤は頭上から見ると左方向に回旋しており、足底板を使っただけでは改善しきれず、お尻や肩もねじれたままです。

ズボンの裾上げの違いから、足の長さに差があることに気づく方も多いでしょう。骨折や先天的な解剖学的短下肢によるものもありますが、大半は骨盤の歪みに起因しています。私のように左右で高さが違えば、骨盤が傾き、それを補おうとして上半身もねじれてバランスを取るのです。

前回の私の姿勢写真と比べても、足底板を入れた姿勢のほうがスマートに見えると思います。たった5mmのインソールで?と思われるかもしれませんが、実際には骨盤やおへそは左を向いたままです。つまり、骨盤は単に「水平に保つ土台」ではなく、上半身の歪みを調整するクルマのサスペンションのような役割を果たしているのです。

骨盤は建物の基礎で、基礎が傾けば構造物も傾くという理論もよく聞かれます。私もかつてはその考えを信じ、骨盤矯正に力を入れていました。確かに結果も出ましたが、カイロプラクティック哲学における「サブラクセイション(根本原因)」という視点から考えると、それだけでは本質的な解決には至らないことに気づいたのです。

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骨盤の歪み!?

私の姿勢写真です。中心軸が左に傾き、右耳、右肩が下がっています。

歪んだ姿勢

立位で私の骨盤を後から見たレントゲン像です。地面に対して水平垂直をとって写していますのでフイルム上でも水平垂直を基準に線を引いて歪みを数値化しています。

立位での骨盤画像

左右の寛骨後方変位は無く、恥骨結合が仙骨中心より左に7mmズレて写っています。これは右の寛骨(右お尻)が外旋側に捻れて右つま先を内股方向に向けさせます。左の寛骨(左お尻)は内旋側になり左つま先を外側に向けさせます。捻れにより右の大腿骨頭(股関節)が水平線より5mm低くなり骨盤が右に傾いています。背骨の一番下、腰椎5番から左に傾き若干の側弯を伴い捻れているのが分かります。

姿勢写真で身体の歪みが分かります。骨盤が歪んでいるからなのでしょうか?

レントゲンで見ると確かに歪んでいます。骨盤を矯正すれば真っ直ぐ立てるのでしょうか?

そんな話をしばらくお付き合いください。

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