スペシフィックなターゲット

スペシフィックなターゲット:H.I.O.学説に基づく上部頸椎へのアプローチ

カイロプラクティックが追求する中心的なターゲットは、神経伝達に干渉をもたらす「サブラクセイション」です。私たちが実践するH.I.O.(Hole In One)学説では、このサブラクセイションは上部頸椎(アッパーサービカル)領域のみに発生すると定義されています。

上部頸椎に干渉が起こると、背骨全体のバランスを取ることができなくなり、骨盤がサスペンションのように歪んで補正を始めます。この歪みは次第に癖となり、いつも同じ部位にストレスがかかるようになります。

背骨は椎間板によって連結され、各椎骨の間からは末梢神経が体の隅々へと伸びています。サブラクセイションによって引き起こされた脊柱の歪みは、局所的なストレスポイントを作り出し、慢性的な神経圧迫や伝達障害を引き起こします。

人の身体は、神経を通じて生命活動をコントロールしています。
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かつての「メリックシステム」では、各背骨のストレスポイントを症状(Disease)の原因と捉え、それをアジャストメントの対象としていました。しかし、B.J.パーマーはそのさらに根本にある原因、すなわち上部頸椎に唯一発生するサブラクセイションに着目しました。

彼は、神経の不調和状態=Dis-ease(ディス・イーズ)をスペシフィックに解消することが、症状の改善につながると説いています。これこそが、H.I.O.学説に基づく上部頸椎カイロプラクティックの根幹です。

自己治癒力(インネイト・インテリジェンス)を最大限に発揮させるために、私たちはその干渉を一つひとつ丁寧に取り除いていきます。

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