椎間板ヘルニア原因

椎間板ヘルニアになる原因として、姿勢の悪さからくる脊柱の歪み、普段の生活中の癖(中腰で重い物をよく持つ、長時間の座り仕事や運転、)などで局所的な椎間板への構造的ストレス、老化によるの退行性変性、激しい運動などによる外傷がよく挙げられます。

人のカラダは先天的に命を守るための防御システムが備わっています。免疫、自然治癒力と言われカラダを守り再生します。ヘルニアも無理な生活、姿勢に耐えられなくなったカラダがブレーカーを落とし、それ以上悪化させないために出現したと考えるといいと思います。

頭の位置で姿勢を保っている

人は二足歩行の生き物です。体重の8%(約5Kg)の重さがあると言われる頭部を両目が地面と水平に保てるよう、前後左右に微動しながら、重心をとっています。そして、たくさんの関節で動きを制限された上半身を、垂直にバランス出来るように重心を取りながら生活を行っています。

立位で試してみて下さい。頭の位置を前に出すとカラダはバランスを取るために腰を丸めて後に移動します。頭を後に引けばそり腰になります。このバランス制御の不整合がストレスポイントを作るのです。

姿勢の悪さを逃がす骨盤の歪み

骨盤の腸骨は上下、前・後方、内・外方に歪みをおこし、仙骨を傾けバランスします。仙骨の上にある背骨は椎間板で一つ一つが連結され、それぞれの関節部で動きを制限しています。そして、それぞれの背骨の動きを決めています。腰部では主に屈曲と伸展、胸部では側屈と回旋がしやすいデザインをしています。

骨盤はガタガタな道でも水平を保つための車で言うサスペンションの役割をしています。上半身の歪みを受け止め、骨盤を歪ますことでバランスしています。悪い姿勢で偏った動作をくり返すと、頭を支える頸椎と歪みを逃がす骨盤に負担が増えてしまいます。

椎間板の退行性変性

椎間板ヘルニア
背骨一つ一つを連結している椎間板は、バームクーヘンのような年輪層の中心部に柔らかいジェル状の髓核があることで、背骨にフレキシブルな動きを可能にしています。

椎間板は加齢とともに血管による栄養供給を失います。そして、背骨が動くことにより椎間板の周りの組織から栄養供給を行うようになります。

背骨の動きが悪いと栄養供給が減少して椎間板の水分が減っていきます。椎間板は繊維質で出来ていて繊維方向が交互に交差して年輪のように重なっています。水分の減少した繊維質の椎間板は弾力性が欠けて痩せてもろくなっていきます。

この状態が日常生活の中で加速すると、ちょっとした動作による衝撃や圧迫に耐えきれなくなった椎間板は、つぶされキズが出来やすくなっていきます。

ヘルニアは警報サイン

カラダは上半身の歪みを骨盤が受け止め負担を逃がします。それは、椅子に座ると足を組んで骨盤を歪ませることで楽に感じることと同じで、無意識のうちにカラダはバランスさせているのです。そのバランスが取れない状態が続くと歪み、ねじれのストレスが椎間板に集まりキズができ髓核がにじみ出てくるのです。(この状態をヘルニアといいます)

バランスが悪いと、姿勢=肩こり腰痛(筋肉系)だけではなく、カラダの健康状態=自律神経(交感神経と副交感神経)にも影響して、病気へと発展してしまいます。カラダはバランスがそれ以上悪化しないようにヘルニアが起こり痛み痺れなどによる警報を鳴らすのです。

姿勢による健康な椎間板

予防としては背骨に本来あるべき生理的湾曲を保つよう気をつけることです。 生理的湾曲は首・胸・腰の3つの湾曲からなり、体へかかる重力をうまく分散させる役目をはたしています。 

姿勢の悪さからくる背骨の生理的湾曲の狂いは、首、腰への負担が非常に大きく、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因となるばかりでなく他の部位へも悪影響を及ぼします。

しかし、常に姿勢を正す事は簡単にはできません。5分と維持することさえ大変です。

原因は首にあった

椎間板で連結された頸椎2番から下の背骨と、約5キロの頭蓋骨をつなぐ、背骨の中で唯一椎間板が存在せず可動域が最大である頸椎1番の可動性にズレが起こることで、ボディアライメントが中立性を崩し、正しい姿勢を維持することを邪魔するのです。

その正しい姿勢を維持できない原因が、ヘルニアを起こさせた本当の原因なのです。