神経圧迫はどこ?客観的に見つける

neurocalometer

1923年にはN.C.M.ニューロカロメーター(脊柱のズレによって発生する神経圧迫の有無を測定する測定器)が開発されます。

カイロプラクティックのターゲットは神経インパルスの干渉です。全脊柱から全身に伸びている神経、その干渉部位を椎間孔レベルで確認しようと開発されました。

背骨の中での一つのメジャーと、複数の代償作用によるマイナーな部位も、これによりサブラクセイションの存在、消失を知ることが可能になり、レントゲンと合わせることにより、それまでの主観が入りやすい検査から、より客観的に判断できるようになっていきます。

カイロプラクティックの創始者D.D.パーマーは、カイロプラクティックは手によってのみ成すものだと定義しました。それは検査から施術に至る全ての行為を意味していて、症状などから主観的に判断していきます。そこに息子B.J.パーマーが検査に器械を導入することで、症状にとらわれずに客観的に判断を行うようにしていきます。これに異を唱え彼と敵対したカイロプラクターも多く、カイロプラクティックが分かれる一つの分岐点になっていったのです。

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メジャーとマイナー

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頭蓋骨から仙骨まで、頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個の椎骨が連結し、その間から末梢神経が出ています。これら全体、すなわち「フルスパイン」を調整対象とするのがメリックシステムです。そこに複数のターゲットとなり得る部位が存在します。

B.J.パーマーは、「メジャーと成りえる原因と、マイナーと成りえる原因があるのではないか」という研究を進め、一つのサブラクセイションと、複数の代償作用によるミスアライメント。メジャーとマイナー論を1918年に発表します。

メジャーとは、全体の調和をもたらし得る部位であり、それは生命体にとって最も重要な部位で、先天的知能との関わり合いがいちばん深い椎骨のサブラクセイションをいいます。メジャーとなるサブラクセイションは、訴える症状や病名にかかわらず、人体を構成するすべての細胞、組織、器官へのメンタル・インパルスの伝達を妨害し、全身の機能に影響を及ほすものであり、これはすべての不調和の原因となりえます。ゆえにメジャーのアジャストメントは、全身の機能の回復へと向かわせることにつながります。

メジャーに対してマイナーとは、唯一(メジャー)のサブラクセイションの代償作用として、二次的に変位を起こしているミスアライメント(マイナー)のことです。部分的な症状や病気との関連性(メリックシステム)はあっても、「根本原因」とはなりません。マイナーの部位は、メジャーのサブラクセイションによって受ける脊柱への構造上、機能上の損傷、器官の機能低下から守るために取られる保護手段であり、この部位は、メジャーのサブラクセイションが取り除かれると共に、イネイトインテリジェンス(内在する叡智)により本来の機能に調整されていくのです。

参考資料:
『臨床カイロプラクティック 哲学・科学・芸術』塩川満章D.C.(1999)
『上部頚椎カイロプラクティック 哲学・科学・芸術』賀来史同(1990)

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メリックシステム

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フルスパイン、全脊柱をターゲット

C.S.Gonstead

カイロプラクティックの世界に入って最も影響を受けたのは、塩川滿章D.C.です。戦後初めてアメリカ・パーマー大学へ留学し、日本に多くの著名なカイロプラクターを紹介してきたレジェンドです。

私は、シオカワスクールオブカイロプラクティック本科で学び、ガンステッドテクニックを中心に深く学びました。塩川D.C.はガンステッドの弟子であるトラキセルD.C.系に属し、私の先輩方もその流れを受け継いでいます。

また、もう一つの流派であるコックスD.C.の影響を強く受けた塩川雅士D.C.・貴士D.C.が帰国し、ちょうどその頃アレックス・コックス本人によるセミナーも日本で開催され、両派の学びを得られたのは幸運でした。

このように二つの流れを持つガンステッドテクニックですが、創始者のC.S.ガンステッドは1921年にパーマースクールオブカイロプラクティック(後のパーマー大学)に入学し、1923年に卒業。パーマーテクニックを習得したのち、自身の技術を発展させ、現在の「フルスパイン」でのガンステッドテクニックを完成させました。

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2015年をふりかえり思ふ

今年も今日1日で終わりの日が来てしまいました。カイロプラクティックの勉強を続け、つくば市近郊にストレートカイロプラクティックを紹介できたことで、たくさんの出会いがあったことに感謝いたします。

B.J.ニーチェスト

D.D.パーマーのファーストアジャストメントから120年。D.D.パーマーからB.J.パーマーへと受け継がれ発展したカイロプラクティック哲学は、B.J.パーマーが実践していたプラクティスを継承してこそ、目的が達成されると信じています。

明日、新しい朝を迎え2016年が始まります。皆様がサブラクセイションフリーで過ごされることを願います。

カイロプラクティックオフィスmisaki
代表 横山壮一

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パーマーテクニック

1920年発行のGreenbook Vol.13『A TEXT BOOK on THE PALMER TECHNIQUE OF CHIROPRACTIC』には、B.J.パーマーがまだ上部頚椎に特化する前の施術理論と技術が記されています。

この書では、パルペーション(接触検査)やナーブトレーシング(神経追跡法)、フルスパイン(全脊柱)を対象としたアジャストメント手法が解説されており、後のガンステッドテクニックにも通じる実践的な内容が展開されています。

座位での検査や、当時の施術姿勢・手技の資料は、ストレートカイロプラクターにとって学びの多い一冊です。

座位でのパルペーション

ターグルハンド

Left Rotation of a L5

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ハンマーとネイルハンド

B.J.パーマーは、アジャストメントにおける「フォース(力)の侵入経路」や方向を精密に研究し、「リスティング」「ラインオブコレクション」、そして「ハンマーハンド」と「ネイルハンド」という施術における手の使い方に着目しました。

これにより、背骨のどの方向にどれだけの力を加えるべきかが体系化され、より正確で効果的なターグルリコイルアジャストメントが可能となったのです。

hammer and nail adjusting inferior and anterior

hammer and nail adjusting to the right and anterior

Body in position and hands properly placed ready to adjust superior

hammer and nail hand

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アジャストメントの探求

背骨は皮膚や筋肉に覆われており、外から直接見ることはできません。メリックシステムで対象部位を予想、姿勢を観察して、パルペーション(接触検査)で変位を割り出していた時代に、スパイノグラフ(レントゲン)で背骨の不整列を確認できることでより科学的な要素が加わり、アジャストメントの方向、強さ等の研究が進んでいきました。

ラインオブコレクション1

ラインオブコレクション2

ラインオブコレクション3

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レントゲンとカイロプラクティック

B.J.パーマーは1910年、構造的な背骨のズレを調べるために、世界で初めて脊柱検査にSpinograph(レントゲン)を導入しました。

レントゲン像

ナーブトレイシングで神経ルートを追跡し、メリックシステムで症状との関係を分析、そしてレントゲンで背骨の構造的なズレを視覚的に確認。こうして、カイロプラクティックの礎がこの時代に整えられていきました。

※ちなみに、X線が発見されたのもカイロプラクティックと同じ1895年です。

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メリックシステム

1908年にB.J.パーマーによって発表されたメリックシステムは、お悩みの主訴、例えば、坐骨神経痛で太ももの後ろ側に痛み、しびれ感があったとすれば腰椎の5番。心臓なら胸椎2番、胃に問題があれば胸椎5番というように、症状から推測される背骨の神経部位をターゲットに行われます。

ナーブトレーシング

ナーブトレイシング(神経追跡法)で研究された、症状部位との神経ルートに問題があるという考え方です。

神経図

カイロプラクティックは創始者D.D.パーマーが行ったファーストアジャストメント以来、手によって背骨のズレを正すことで健康を取り戻すことが行われてきました。なぜ、背骨を正すとお悩みが解決するのか。

ナーブトレイシング、メリックシステムは、実際に解決に向かわせたのです。

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背骨のズレと神経システム

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神経を介して活動する

脳と全身の細胞や器官は、神経を介して情報をやり取りしながら、生命活動を行っています。
生命活動を正しく制御するためには、常に正確な「情報」が必要です。

たとえば、目で見たものは瞬時に脳に伝わり、身体は反射的に反応します。耳で聞いた音は脳で理解され、喉の振動で言葉として発せられます。手で触れた感触も、神経を通じて脳に届けられています。

また、内臓の働きやウイルス侵入時の免疫反応も同様です。体内に異常が生じると、発熱、嘔吐、下痢など、生き抜くための生体反応が自動的に起こります。

これらすべての動作や反応は、神経を通して中枢に情報が届き、身体がその情報に応じた適切な行動を取っているのです。

ナーブサイクル

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