メジャーがマイナーを正す

NCGH graph

レントゲン像

例として「NCMニューロカロメーターでは8箇所のブレイク(グラフの針が急激に動いた場所、干渉されている部位)を示している。パルペーションすると8箇所で正しいアライメントからズレていることがわかる。レントゲンでも8箇所で確認できる。8箇所をサブラクセイションとして分析、8箇所がアジャストメントされた。」

すべての8箇所がサブラクセイションであったのか?

NCGHニューロカログラフの開発により、調整前、調整後、毎来時、記録紙にグラフとして残すことが可能になり、検証研究されていきます。

行き着いた一つの答えが、8箇所の中の唯一つがサブラクセイションで、他の7箇所はミスアライメントである。ミスアライメントはサブラクセイションに対して補正作用である。リアライメントの、どの試みも一時的効果のトリートメント(対処療法)に過ぎず原因のアジャストメントではない。というものです。

一つのメジャーがアジャストメントされると7つのマイナーが正される。時間が経っても新たにサブラクセイションは生み出さられず、マイナーも消えていく。グラフ、レントゲンによる検証が導いた答えです。

参考資料 :
The Subluxation Specific — The Adjustment Specific [1934]

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アジャストメントをしない選択

NCGH graph

N.C.G.H.ニューロカログラフの導入により、脊柱全体のヒートスイングが記録できるようになりました。

アジャストメントが達成され、メジャーを解消するとマイナーも消失しグラフラインに変化が現れることが記録できます。そして、次のプラクティスの時にグラフを比べることで、サブラクセイションの存在が客観性を持って確認できるようになりました。

B.J.パーマーがN.C.M.ニューロカロメーターを導入した時に、これを必須条件としたことで、異を唱え離れていった人たちがいました。

その考え方の違いに、N.C.G.H.ニューロカログラフの開発、導入は決定的な答えを作ったように思います。サブラクセイションフリーであればアジャストメントをしないという選択肢がはっきりとしてきたからです。

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客観性の追求

neurocalograph

サブラクセイションの発見に、メリックシステム、患者の症状は重要な役割を果たしていたが、N.C.M.ニューロカロメーターが開発されて、そうではなくなっていきます。

メジャーとマイナー論で発表された、一つのサブラクセイションと、複数の代償作用によるミスアライメント部位の選定の判断材料として、N.C.M.ニューロカロメーターによるチェック、その部位をレントゲンで確認することで、客観性を保ち、これまでの人の主観による検査技量の差をなくしていったのです。

1928年にはN.C.M.ニューロカロメーター検出結果をグラフに記録できる、N.C.G.H.ニューロカログラフ(当オフィスで使用しているTytron-C5000サーモグラフィーの原型)が開発されます。日々の記録紙を管理、検証することでカイロプラクティックが変わっていきます。

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N.C.M.ニューロカロメーター

evins

neurocalometer

N.C.M.ニューロカロメーター(ニューロ=神経、カロ=熱)は、熱伝対であるサーモカブルが開発されたことにより、ドーサ・エビンスにより発明されました。

※「熱伝対」とは 2種類の金属をループ状にして接続したとき、両接点間に温度差があると起電力 (微弱伝導)がおこる。それを利用して温度を求めるもの。

椎骨がサブラクセイションを起こすと、そこの神経の周りの組織が圧迫を起こします。これは神経の伝達エネルギーに抵抗を起こさせることになって熱を発生させます。この異常な熱の発信を検出し、その神経系の阻害を起こしている椎骨を見つけることが重要であると結論付けて、B.J.パーマーは以後、N.C.M.ニューロカロメーターを使うことがサブラクセイション認定に必須としてしまうのです。

現代でも、ナーブスコープと名前を変えて使われ続けています。

ナーブスコープ

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カイロプラクティック黎明期

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創始者D.D.パーマーが考えていたカイロプラクティックから、息子B.J.パーマーがスクールを引き継いだ時、レントゲンの導入の時、NCMニューロカロメーターを導入の時など、その都度、考え方に異を唱え離れていく人たちがそれぞれの考えのもとスクールを立ち上げていきます。現在では大学教育までになっていますが、理論、考え方、テクニックがそれぞれ違います。

日本ではアメリカで学んで紹介されたカイロプラクティックのテクニックがたくさんあり、それぞれの先生方が日々頑張って実践されています。

B.J.パーマーが実践したカイロプラクティックは、現在大多数の方がイメージするものとは違っているようで、世界的にも実践している先生は少数派と言われています。私はB.J.パーマーが考え実践していたカイロプラクティックを継承したく研鑽に励んでいますので、彼が残した39巻のグリーンブックといわれる本から都度抜粋し紹介しています。

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神経圧迫はどこ?客観的に見つける

neurocalometer

1923年にはN.C.M.ニューロカロメーター(脊柱のズレによって発生する神経圧迫の有無を測定する測定器)が開発されます。

カイロプラクティックのターゲットは神経インパルスの干渉です。全脊柱から全身に伸びている神経、その干渉部位を椎間孔レベルで確認しようと開発されました。

背骨の中での一つのメジャーと、複数の代償作用によるマイナーな部位も、これによりサブラクセイションの存在、消失を知ることが可能になり、レントゲンと合わせることにより、それまでの主観が入りやすい検査から、より客観的に判断できるようになっていきます。

カイロプラクティックの創始者D.D.パーマーは、カイロプラクティックは手によってのみ成すものだと定義しました。それは検査から施術に至る全ての行為を意味していて、症状などから主観的に判断していきます。そこに息子B.J.パーマーが検査に器械を導入することで、症状にとらわれずに客観的に判断を行うようにしていきます。これに異を唱え彼と敵対したカイロプラクターも多く、カイロプラクティックが分かれる一つの分岐点になっていったのです。

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メジャーとマイナー

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頭蓋骨から仙骨まで頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個の連結した椎体間からそれぞれ末梢神経が出ています。この椎間全て、フルスパインを対象にするのがメリックシステムです。複数のターゲットとなり得る部位が存在します。

B.J.パーマーは、「メジャーと成りえる原因と、マイナーと成りえる原因があるのではないか」という研究を進め、一つのサブラクセイションと、複数の代償作用によるミスアライメント。メジャーとマイナー論を1918年に発表します。

メジャーとは、全体の調和をもたらし得る部位であり、それは生命体にとって最も重要な部位で、先天的知能との関わり合いがいちばん深い椎骨のサブラクセイションをいいます。メジャーとなるサブラクセイションは、訴える症状や病名にかかわらず、人体を構成するすべての細胞、組織、器官へのメンタル・インパルスの伝達を妨害し、全身の機能に影響を及ほすものであり、これはすべての不調和の原因となりえます。ゆえにメジャーのアジャストメントは、全身の機能の回復へと向かわせることにつながります。

メジャーに対してマイナーとは、唯一(メジャー)のサブラクセイションの代償作用として、二次的に変位を起こしているミスアライメント(マイナー)のことです。部分的な症状や病気との関連性(メリックシステム)はあっても、「根本原因」とはなりません。マイナーの部位は、メジャーのサブラクセイションによって受ける脊柱への構造上、機能上の損傷、器官の機能低下から守るために取られる保護手段であり、この部位は、メジャーのサブラクセイションが取り除かれると共に、イネイトインテリジェンス(内在する叡智)により本来の機能に調整されていくのです。

参考資料 :
臨床カイロプラクティック 哲学・科学・芸術 塩川満章D.C. [1999]
上部頚椎カイロプラクティック 哲学・科学・芸術 賀来史同 [1990]

以下の記事もあわせてどうぞ:
メリックシステム

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フルスパイン、全脊柱をターゲット

C.S.Gonstead

カイロプラクティックの世界に入って一番影響を受けたのは塩川滿章D.C.です。

戦後初めてアメリカ、パーマー大学に留学された人物で、そのコネクションで著名なカイロプラクティックの先生を日本に紹介してきたレジェンドです。

私はシオカワスクールオブカイロプラクティック本科で勉強しましたので、ガンステッドテクニックをかなり勉強しました。

塩川滿章D.C.はガンステッドの弟子であるトラキセルD.C.系で、自分の前の先輩たちはトラキセル派ということになります。

もう一つの流派コックスD.C.の影響が強い、雅士D.C.、貴士D.C.が留学から帰国されたばかりで、その頃にアレックスコックス本人が日本に来てセミナーを始めましたので、両方を勉強できたことがラッキーでした。

その二つの流派があるガンステッドテクニックですが、創始者のC.S.ガンステッドは、1921年にパーマースクールオブカイロプラクティック(後のパーマー大学)に入学して1923年に卒業しています。そこでパーマーテクニックを習得し、自身が発展させたガンステッドテクニック(フルスパイン)が完成されていったのです。

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2015年をふりかえり思ふ

今年も今日1日で終わりの日が来てしまいました。カイロプラクティックの勉強を続け、つくば市近郊にストレートカイロプラクティックを紹介できたことで、たくさんの出会いがあったことに感謝いたします。

B.J.ニーチェスト

D.D.パーマーのファーストアジャストメントから120年。D.D.パーマーからB.J.パーマーへと受け継がれ発展したカイロプラクティック哲学は、B.J.パーマーが実践していたプラクティスを継承してこそ、目的が達成されると信じています。

明日、新しい朝を迎え2016年が始まります。皆様がサブラクセイションフリーで過ごされることを願います。

カイロプラクティックオフィスmisaki
代表 横山壮一

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パーマーテクニック

1920年発行のGreenbook Vol.13 A TEXT BOOK on THE PALMER TECHNIQUE OF CHIROPRACTIC には、まだ上部頚椎だけになる前のB.J.パーマーが行っていた、パルペーション(接触検査)、ナーブトレーシング(神経追跡法)、フルスパイン(全脊柱)でのアジャストメントの解説が書かれています。後のガンステッド(フルスパインでのサブラクセイション解放を行うテクニック)につながるようで興味深い本です。

座位でのパルペーション

ターグルハンド

Left Rotation of a L5

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