B.J.パーマーは1930年、「ホールインワン学説(H.I.O.学説)」を発表しました。
これは、「メジャーサブラクセイションをアジャストメントすることで、複数のマイナーが自然と解消されるが、逆は成立しない。真のメジャーは上部頸椎(C1・C2)にのみ存在する」という考えに基づいています。
この“一つで全体を整える”という思想を「Whole In One」と名付け、ゴルフの「Hole In One」にかけて「H.I.O.学説」と呼びました。
それを機に、パーマースクールでは上部頸椎のみをアジャストメント対象とする教育が行われるようになります。B.J.パーマーは、上部以外のアジャストメントを認めず、実際にそれを行った生徒が退学になったという逸話も残されています。
上部頸椎のアジャストメントのみで全身の神経伝達が整い、自然治癒力が最大限に発揮される——。これは、カイロプラクティックの哲学的核心であり、科学的検証の道を歩み始める分岐点でもあったのです。