Dis-ease ディス・イーズ

Dis-ease(ディス・イーズ)とは?カイロプラクティックで考える身体の不調状態

Dis-ease(ディス・イーズ)は、カイロプラクティック独自の概念で、Disease(病気)という言葉をもじって生まれました。これは単に「病気」ではなく、「生命活動のスムーズさが失われている状態」を意味します。

人間は常に活動しています。その活動は、私たちの体に内在する叡智=インネイト・インテリジェンス(Innate Intelligence)が、物質と時間の限界に適応しながら最善の方法で管理しています。

しかし、サブラクセイション(神経干渉)があると、情報伝達にノイズが生じ、活動の質が低下します。この状態がDis-ease。例えるなら、電波は繋がっているけれども、速度が遅く、スムーズに動かない——そんな状態です。

easeは「容易さ」、つまりスムーズな活動を意味する言葉。そこに「反対」の意味を持つ接頭辞Dis-が加わることで、「容易でない=本来の機能が妨げられている状態」と訳されます。

例えば、風邪をひいたときの免疫反応は、体がウイルスに適応している健全な活動です。一方、Dis-easeの状態とは、その適応力が弱まり、対応が遅れている状態と考えられます。

極端に言えば、手を伸ばせば取れるはずのものが届かないような状態。これがDis-easeです。機能しているように見えても、活動が鈍く、時間がかかる。

カイロプラクティックの本質は、このDis-easeを引き起こす原因であるサブラクセイションの解消にあります。つまり、「イージー」な身体状態を「Dis」っている(妨げている)のがサブラクセイションなのです。

本来の健康とは、スムーズに、容易に、生命活動が行える状態。その実現のために、私たちは日々アプローチしています。

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内在する叡智・生命力

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スペシフィックなターゲット

スペシフィックなターゲット:H.I.O.学説に基づく上部頸椎へのアプローチ

カイロプラクティックが追求する中心的なターゲットは、神経伝達に干渉をもたらす「サブラクセイション」です。私たちが実践するH.I.O.(Hole In One)学説では、このサブラクセイションは上部頸椎(アッパーサービカル)領域のみに発生すると定義されています。

上部頸椎に干渉が起こると、背骨全体のバランスを取ることができなくなり、骨盤がサスペンションのように歪んで補正を始めます。この歪みは次第に癖となり、いつも同じ部位にストレスがかかるようになります。

背骨は椎間板によって連結され、各椎骨の間からは末梢神経が体の隅々へと伸びています。サブラクセイションによって引き起こされた脊柱の歪みは、局所的なストレスポイントを作り出し、慢性的な神経圧迫や伝達障害を引き起こします。

人の身体は、神経を通じて生命活動をコントロールしています。
過去の記事 → 背骨の間から神経は出てきます
過去の記事 → 神経を介して活動する

かつての「メリックシステム」では、各背骨のストレスポイントを症状(Disease)の原因と捉え、それをアジャストメントの対象としていました。しかし、B.J.パーマーはそのさらに根本にある原因、すなわち上部頸椎に唯一発生するサブラクセイションに着目しました。

彼は、神経の不調和状態=Dis-ease(ディス・イーズ)をスペシフィックに解消することが、症状の改善につながると説いています。これこそが、H.I.O.学説に基づく上部頸椎カイロプラクティックの根幹です。

自己治癒力(インネイト・インテリジェンス)を最大限に発揮させるために、私たちはその干渉を一つひとつ丁寧に取り除いていきます。

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骨盤は歪みを逃がすサスペンション

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パイオニア

アメリカ本土でもリスペクトされ続ける、上部頸椎カイロプラクティックのパイオニアたち

上部頸椎カイロプラクティック(Upper Cervical Chiropractic)は、B.J.パーマーが提唱したH.I.O.学説を土台に、アメリカでも確固たる地位を築き、尊敬され続けています。

この哲学と技術に基づき、「一ヶ所のサブラクセイションを正確に見つけ、最小限のアジャストメントで最大限の神経回復を促す」という理念は、今もなお数多くの実践者に支持されています。

以下の動画では、アメリカの現場で活躍した上部頸椎専門のドクターたちの姿と、その臨床成果が紹介されています:


Upper Cervical Chiropractic USA

▶ 動画を再生する(YouTube)

彼らが追求しているのは、派手な治療効果や表面的なリラクゼーションではなく、神経系の本質的な回復。脳幹と脊髄をつなぐ上部頸椎に存在する“メジャー”を正しく認識し、最小限の介入で最大限の自己治癒力を引き出すことに集中しています。

これは、単なる施術手技ではなく、自然法則・生命力・哲学に裏打ちされた実践。

カイロプラクティックがグローバルに支持され続ける理由は、そのシンプルさと深さにあるのかもしれません。


上部頸椎カイロプラクティックのポイント

  • 対象は上部頸椎(C1・C2)に限定
  • 的確な分析と最小限のアジャストメント
  • 症状ではなく、神経系の干渉(サブラクセイション)にフォーカス
  • 自己治癒力の最大化を目指す
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ストレート・カイロプラクティック

ストレート・カイロプラクティック ― 真のアイデンティティ

カイロプラクティックの歴史の中では、多くの流派が生まれてきました。それぞれが「健康の回復」を目指して施術を行っています。

その中でも、創始者D.D.パーマーからB.J.パーマーへと受け継がれた理念に基づき、特定されたサブラクセイションのみにアプローチするのが「ストレート・カイロプラクティック」です。

この実践には、カイロプラクティックのアイデンティティが凝縮されており、実践者には揺るぎない信念と哲学的理解が求められます。

来院される方々の悩みや症状は千差万別です。しかし、ストレート・カイロプラクティックがターゲットとするのは、常にただ一つのサブラクセイションです。

自然の法則とインネイト・インテリジェンス

前提として、ユニバーサル・インテリジェンス(宇宙の叡智)はあらゆる存在に内在し、それぞれの形・機能・動きとして常に表現されています。

この自然の法則に順応する形で、人間にはインネイト・インテリジェンス(先天的叡智)が備わり、自己の健康を内側から導く力が働いています。

しかし、そのインネイトの働きを妨げるのがサブラクセイションです。

アジャストメントの本質

ストレート・カイロプラクティックは、サブラクセイションの干渉を取り除くことで、インネイトが本来の力を発揮できる環境を整えます。

最も重要な考えは、サブラクセイション・フリーの状態を維持すること

サブラクセイションが存在しない状態であれば、アジャストメントは一切行わず、身体を内在する叡智に委ねるのです。

これこそが、「ストレート」なカイロプラクティックの真髄であり、健康を外側からでなく、内側から創造するという、自然の法則に則ったアプローチです。

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カイロプラクティックの根っこ

カイロプラクティックの根っこ ― 33の基本原則

1927 TEXTBOOK

なぜ私たちは健康ではない身体状態になるのか。

サブラクセイションが起こると、身体はどのように影響を受けるのか。

なぜカイロプラクティックを受けた人々は健康を回復していくのか――。

カイロプラクティックは、まず「真実の前提」を設定し、そこから論理を導き出す演繹的推論で説明されます。

宇宙に存在するすべての物質(matter)を形作る力を大前提とし、生き物が先天的に備える自己治癒力を捉えます。その力の源・量・正常性・妨害・原因を体系化したものが、B.J.パーマーが整理した「33の基本原則」です。

原書は深い哲学を英語で記しており、イントロダクションとしてこの33原則が据えられています。ここにこそ、カイロプラクティックが健康の根本原因へアプローチする核心があります。

※画像はストレートカイロプラクターを目指すHIROのブログよりお借りしました。

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自然の法則とユニバーサル・インテリジェンス

itokawa

JAXAの探査機「はやぶさ」が、地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワに到達し、着陸・サンプル採取を行い、無事に地球へ帰還したミッションをご記憶の方も多いでしょう。

私はイトカワの画像を見たとき、まるで映画『スターウォーズ』でミレニアム・ファルコン号が小惑星帯に身を隠したあの場面が現実になったように感じ、深い感動を覚えました。

宇宙の果てまで広がる物質の存在、そして地球上でも未発見の生命や物質が次々と発見されていく中で、それら全ての「形」を形作る力があります。

カイロプラクティックでは、それを万物創造の源「ユニバーサル・インテリジェンス(普遍的知性)」と呼びます。

このユニバーサル・インテリジェンスは、宇宙に存在するすべてのものに内包され、それぞれの存在が独自に表現していると考えます。

カイロプラクティック哲学は、この「自然の法則」「宇宙の秩序」を前提に、生命や健康を捉えていきます。

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偉人たち

あさが来た、見てます。

五代友厚が亡くなってしまいました。1885年明治18年9月、49歳だそうです。その10年後にD.D.パーマーがカイロプラクティックを発見する時代です。

五代友厚の功績により大阪経済が発展していくのはドラマを見ていて、よくわかりました。

B.J.パーマーがH.I.O.学説を発表したのも49歳。

私、今年49歳…

頑張ります。

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内在する叡智・生命力

健康とは何でしょうか?

不調があれば医師にかかり、疲れたらマッサージや鍼で癒してもらう──それは悪いことではありません。運動やサプリメントで栄養補完することも良い選択です。

しかし、健康に向かう本来のチカラ(フォース)がうまく働いていなければ、また同じ不調を繰り返したり、効果が持続しなかったりします。

私たちの生命は、一対の卵子と精子が出会い、十月十日の期間を経て誕生します。およそ1〜4億個あるとされる精子から、たった一つが卵子に辿り着き、父と母の遺伝子が融合し、太古から受け継いだ設計図に従って人間のカタチへと成長するのです。

この設計図を正しく導く力、それが生命力=内在する叡智(イネイト・インテリジェンス)です。

▶︎ 動画で見る:https://youtu.be/GZk4hT7ncv0

1/400,000,000の競争を勝ち抜いたその力は絶大であり、人生を全うするまで本質的には衰えません。

しかし、その内在する叡智へ届く情報にエラーが起きれば、適切な力が発動できず、身体の不調和につながります。

カイロプラクティックでは、神経伝達の干渉を分析し、除去します。それにより本来持つ生命力が正しく表現され、不調和の解消と、最良の健康状態の維持を可能にします。

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アイデンティティ

B.J.Palmer

B.J.パーマーは、H.I.O.学説の発表によりカイロプラクティックの定義と専門性を明確にしました

サブラクセイションの認定にはNCM(ニューロカロメーター)によるグラフリーディングが必須であり、それにより次のことが可能になります。

  • 神経インパルスの干渉の存在
  • サブラクセイションの存在
  • アジャストメントが必要か?
  • サブラクセーションがアジャストされたか?

もしサブラクセイションが存在するならば、それを的確にアジャストメントしなければなりません。

もし存在しないのであれば、内在する叡智(イネイト・インテリジェンス)に健康を委ね、カイロプラクターは「見守る」ことが仕事になります。

H.I.O.を実践するには、「一箇所のメジャーの存在を客観的に確認し、必要な時にのみ介入する」というルールと哲学が必要です。

この基準を共有することで、H.I.O.を行うカイロプラクターは専門職としてのアイデンティティを明確に統一することが求められたのです。

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H.I.O.学説

B.J.Palmer

B.J.パーマーは、H.I.O.(ホール・イン・ワン)学説において「サブラクセイションは上部頸椎部でのみ起こる」とし、それ以外の部位には手を加えないと説いています。

症状や訴えに基づく主観的判断を排除し、グラフリーディングやレントゲンなど客観的データに基づいてサブラクセイションの有無とアジャストメントの必要性を判断します。

この学説の核心は、神経系の干渉を取り除くことで自己治癒力(イネイト・インテリジェンス)が正しく働く環境を整え、本来の健康を取り戻すという「カイロプラクティック哲学」そのものです。

B.J.パーマーは、以前、森久保繁太郎などカイロプラクターを訴訟から守るため、弁護士トムモリスと一緒に、次のような説明で無罪を勝ち取りました。

  • 「カイロプラクティックは、医業、オステオパシーとは異なる。私たちは疾患を治療するのではない。患者の病気の原因を取り除くのである」
  • 「カイロプラクターは、サブラクセイションを探し、それを矯正するのである」
  • 「サブラクセイションは生気生命力(イネイト・インテリジェンス)を阻害し疾患の原因となる」
  • 「カイロプラクティックのアジャストメントは、生命力の阻害因子を取り除く」

この哲学を貫き、H.I.O.学説を発表し、臨床で実証していったB.J.パーマー。彼の信念が、現在の上部頸椎カイロプラクティックの基礎を築いたのです。

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